今、魅力的な機能や新しい成分などのバリエーションが増えているサプリメント。これらをいくつか重ねて摂りたいと思ったことはありませんか?基本的に新しく摂り始めようとするときには、1種類ずつ試していくことが安全です。今回は、複数のサプリメントを摂るときの注意点や新しく追加していくときに考える期間、併用に関する確認の方法について解説します。
新しく飲み始めるときは1種類ずつ試そう!
サプリメントをいくつか重ねて飲みたいときには、いちばん摂りたいものから順に1つずつ飲み始めるようにしましょう。その理由は、もし自分の身体に合わない成分であったり、体調をくずしてしまったりしたときに原因となるものの追究が困難になるためです。また、同じ機能性をもつ成分や栄養素でも、メーカーがことなると配合量や添加物がちがう場合もあります。
たとえば紫外線対策や疲労の気になるときに、“アスタキサンチン”という栄養素を摂るとしましょう。この場合、A社とB社の商品が同じ量のアスタキサンチンを含んでいたとしても、また別の“新しいサプリメント”と捉えて摂り始めることが大切です。
何日ぐらい空ければ、追加して飲むことができる?
では、どのくらいの期間おけば次のサプリメントを摂り始めることができるのかどうかも気になりますよね。これについて明確な基準はありません。目安としては2~3週間くらい、あければ問題ないことが多いでしょう。
ここで、サプリメントは医薬品とちがい、その血液中の濃度(血中濃度という)を測ったり明らかな体調変化を目の当たりにしたりすることができません。つまり、身体に合っているかどうかの指標となる、医薬品で言えば副作用や血液検査で分かるデータがないということです。
ただ、医薬品の場合は服薬し始めてから数日間、長くても2週間くらいで一定の血中濃度を示すものが多く、この期間に明らかな副作用がみとめられなければ継続できるとされることがほとんど。つまり、サプリメントは医薬品ではないにしろ、受ける身体に異物が入るということには変わりありません。したがって、新しいサプリメントを飲むときにも2週間程度は、体調について観察をするとよいでしょう。
初めて飲むサプリメントで注意するポイント
サプリメントが身体に負担をかけていないかどうかを確認するには、“食物アレルギー”を考えることも1つの指標となります。この食べ物が原因となって起こるアレルギー反応は時間の視点で分けると2種類に大別され、1つ目は飲んだ直後から2時間以内で起こる「即時型食物アレルギー」です。このうち重症度の高いものでは、“アナフィラキシー”と呼ばれる全身的な症状で治療が必要なものも。
2022年に発表された調査結果によると、このような即時型食物アレルギーを発症するのは半数以上が2歳までで歳を重ねるごとにすくなくなり、18歳以上では全体の5%まで減ります。注意したいのは、商品のパッケージが間違って表記されている「食品表示ミス」の可能性がゼロではないということです。おそらく、この種のアレルギーを発症したことのあるひとは、注意深く食品表示を見る習慣がついていることでしょう。しかし、どの食品もサプリメントも100%信頼できるとはかぎりません。現に、この食品表示ミスが原因で発症した例も、数はすくないものの明らかになっているのです。
2つ目は「非即時型(遅発型もしくは遅延型ともいう)食物アレルギー」で、飲んで数時間たってから主に湿疹(しっしん)やかゆみなどの症状がでてきます。こうした思わぬアレルギー反応に備えるためにも、初めて飲むサプリメントでは飲んだあと数時間は体調の変化を確認できるようなタイミングを設定するようにしましょう。
サプリメント同士の飲み合わせを確認する方法
サプリメントは食品の一種であっても、相互作用がない訳ではありません。サプリメント同士で成分の重複や、主成分と一緒に含まれるほかの成分が重複していることもあります。また、加工するために必要な添加物の中には一部、過剰に摂り過ぎると健康にわるい影響を及ぼす可能性のあるものもあるということをふまえて検討することが必要です。
これらの安全性を確認するには、いくつかの方法があります。1つは、商品そのものを販売している店頭もしくはオンラインサイトで“問合せ”をおこなうこと。もう1つは、商品のパッケージに必ず記載されている「栄養成分表示」と書かれた情報をもって薬剤師や登録販売者、管理栄養士など知識をもつひとに相談することです。また、持病のあるひとや病気を治療中のひとは、あらかじめ主治医や薬剤師に確認をとっておきましょう。
せっかくバリエーションが豊富になってきたサプリメントを、“自分は専門知識がないから判断ができない”と考えて1種類しか摂らないのはもったいないこと。まずは気になるサプリメントの「栄養成分表示」を詳しく見てみることから、アイデンティティあふれる健康管理のために始めてみてはいかがでしょうか。