ドラッグストアで売っているサプリメントの効果は?

ドラッグストアで売っているサプリメントの効果は?

サプリメントの効果に対し疑問を持つ人は多いかもしれません。なぜならパッケージや商品の説明に「効く」と書かれていないから。単に、「医薬品=効く」「サプリメント=効かない」と考える前に、サプリメントにおける基本の捉え方を身に付けておきましょう。

今回は特に、ドラッグストアで売っているサプリメントの効果や選び方について解説します。何か試してみたいと思うときや、効果について不安に感じているときにお役立てください。

サプリメントの効果が“回りくどい表現”で書かれている理由

ドラッグストアの店頭にあるサプリメントのパッケージや添えられているPOP※で、腸や肌、肝臓などのイラストが目に飛び込んできたという経験はありませんか?しかし、商品の説明を見ても、“便秘を改善する”や“シミを消す”といった記載はありません。それらを見て、「結局、自分には効くのかな?」と感じる人もいるでしょう。

こうした回りくどい表現をしている理由は、サプリメントに「効果」や「効能」、「効き目」などの医薬品や治療を連想させる表現をしてはいけないという決まりがあるから。(医薬品医療機器法:通称「薬機法」、旧「薬事法」)もし、医薬品でないのにこのような表現をした場合、“無承認無許可医薬品”として取り締まりの対象になります。また、そのような表記のある商品で健康被害が報告されているものもあるため、注意しましょう。

これらの“適切な表現”で説明があるかという点は、専門知識のない一般のひとが安全なものかどうかを見分けるときにポイントとなります。

 

※POP(Point of purchase advertisingの略):商品の説明や販促をおこなうため、店頭や商品のそばに置く宣伝物の全般を指す。

効果を得るには、“機能性”や“成分”が今の自分に合っていることが前提

「サプリメントは効くのかどうか?」に対する答えは、その成分が飲むときの自分にとって合っているかどうかに左右されるとも言えるでしょう。サプリメントの中には一部、血液中の濃度における測定や身体の変化を一定期間で追うようなデータを示して国に認可された、いわゆる“トクホ”(特定保健用食品)などもあります。しかしそれはごく一部の商品で、さらにすべてのひとに当てはまるという訳ではありません。つまり、効果の尺度は自分の中にあると捉えて摂る目的や期間、そしてタイミングをしっかりと考えることが大切です。

また、「サプリメントは補助的に活用し、まずはバランスのよい食生活を心がけること」という文言を見たことのあるひとも多いでしょう。これは間違っていません。しかし、ライフスタイルは一日あるいは数時間、人によっては数分単位で変化していくもの。重要なのは、身体や心に対してストレスとなっている潜在的な要因を洗い出し、それに対する成分を見合った期間もしくはタイミングで摂り入れるということでしょう。

こうした、自分の心身そのものを客観視しながらストレスの少ないウェルネス※を目指すところから、効果が得られる“サプリメント選び”は始まります。

 

※ウェルネス(wellness):最初の定義はハルバート・ダン医師(米国)による著『輝くように生き生きしている状態(1961)』。健康かつ美しく輝いた人生を志向する状態で、身体の健康は自己実現の欲求を目指すための基盤であるという考え。

ドラッグストアは“有名どころ”から“流行もの”までバランスよく販売

現代ではインターネットを通じて、実際にドラッグストアへ足を運ばなくてもサプリメントが買える時代になりました。一方で、種類がありすぎて何を選べばよいか悩むひとも多いでしょう。もし時間に余裕があるなら、実際にドラッグストアへ行ってみることをおすすめします。なぜなら、ある程度の規模を構えるドラッグストアには一般に知られている有名なメーカーの商品や、企業がメーカーと直にその詳細を確認しあって販売する商品、いま世間で注目を集めている成分や商品などバランス良く販売されていることが多いからです。また、店頭に添えられたPOPから商品の特徴や機能性などについて、ポイントをおさえて理解することにも役立つでしょう。

情報が錯そうする現代では知識のない状態から機能性について学ぼうとすると、かえって多くの時間を費やしてしまうことも。実際に買うときには店頭かオンラインかを選ぶことにして、知識の習得にかける時間を節約するためにドラッグストアを訪れてみるのも方法のひとつです。

摂る“目的”のほかにも、サプリメント選びに必要なこと

ドラッグストアでは店舗によって薬剤師のほか、登録販売者やサプリメントアドバイザー、管理栄養士などの専門家がアドバイスをくれます。より自分にあったものを選ぶために、まずは次の3つのポイントを確認してみましょう。ちなみに薬剤師の私はこれら3つを踏まえた上で、どのメーカーということよりも成分表の記載欄を見て選んでいます。

ただし、持病のあるひとや治療中のひと、何かしらの不調が明らかな場合は、あらかじめ医師または薬剤師に相談することが大切です。

【自分にあったサプリ選び!3つの確認Point】

  • 確認ポイント1:身体の状態

    お腹の不調や便通異常はありませんか?せっかくサプリメントを摂っても、腸でしっかり吸収されなければ効果も期待できません。とくに心配のないひとは、日常でだるさや疲れを感じるタイミング、集中力の継続性や気持ちの安定性、眠れないことがないかどうかも合わせてふり返ってみましょう。

  • 確認ポイント2:目的

    サプリメントを摂る目的は決まっていますか?たとえば“パフォーマンスを上げたい”や“疲れにくくしたい”といった「リアルタイム」での目的や、健康的な「未来」を目指すための一角として摂り入れるという目的もあるでしょう。その時間軸の在りかによっても、選ぶ成分は変わってきます。

  • 確認ポイント3:金額

    1回量あたり、もしくは1か月あたりの金額はどの位を考えていますか?ドラッグストアによってはプライベートブランド(PB)といって自社開発により販売するものもあります。皆がよく知る有名なメーカーとほぼ同じような成分と配合量で、安く購入できることも。ブランドや宣伝広告費という部分をのぞけば、サプリメントの金額は成分とその機能性、そして配合量によって決まるといっても過言ではありません。

この記事を書いた人

ドラッグストアで売っているサプリメントの効果は? 株式会社リテラブースト 代表取締役 曽川雅子
資格 薬剤師、登録販売者、保育士
経歴 現・東北医科薬科大学卒。2017年に株式会社リテラブーストを設立し健康に関するイベントや、健康診断でなじみの9項目が指先から1滴の血液ですぐに分かる検体測定室(簡易血液検査)をプロデュース。15年間の薬局勤務と人事経験を活かした執筆活動では、大手の介護系企業や製薬企業からウェルネスに関する総合情報配信サイトまで2年間で累計100本を超える記事提供の実績がある。

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